約220名の身体障害者に突然の解雇通知! これから先の生活はどうなる?

 

今年の11月で65歳を迎えます。

いろいろと仕事を転々としましたが、仕事があることはいいことだと思います。

失業給付金で遊んで暮らしても、ロクなことはありませんでした。笑

職場での人間関係が苦手と言われる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、パソコン相手に一日、口もきかないよりは、

馬鹿にされても、へこたれずに自分を出すほうがいい。

お節介なようですが、若さを保つ秘訣は案外そのようなところにあるのでは?

目次

・パ-トの仕事に就く

私は、難病患者の身体障害者です。50歳のころ発症し、15年難病と付き合っています。

60歳で定年退職。一年間は、失業給付金でプ-太郎していました。

好きな映画を観たり、朝寝朝酒と、悠長にぐうたら。毎日が日曜日でしたね。

そのうちに嫌になってしまいました。

ひとり身のアパ-ト暮らし。奥さんもいなけりゃ近くに友達もいない・・・

身体は鈍るし、頭はボケてくるし。

こりゃあいかんと、ハロ-ワ-クに行きパ-トの仕事を紹介してもらいました。

障害者の「就労継続支援A型事業所」で利用者のかたちで働くことになったのです。

・仕事の内容と待遇

就労継続支援A型事業とは、一般企業への就職が困難な障害者に働く場所を提供して、

生産活動などを経験しながら、就労のためのサポ-ト・福祉サービスを供給します。

そして、障害者と雇用契約を結び最低賃金以上を保障するしくみの”雇用型”支援事業です。

簡単にいうと、障害者と雇用契約を交わして、就労支援する福祉サービスなんです。

ただし、継続的に就労することが可能な65歳未満の者(利用開始時65歳未満の者)。

私は、そのとき62歳でした。かろうじてセ-フ!笑

・毎日の仕事風景

自宅まで車が迎えに来てくれます。帰りも自宅まで送ってくれます。

事業所『X』のウリは、送迎。片道最大1時間半の距離を自宅まで送迎してくれるのです。

ドライバーの方たちには、感謝感謝です。

仕事は、9~16時。6時間勤務と4時間勤務のふたつあります。

私は、朝が苦手で、12~16時の4時間勤務。人気は、6時間勤務ですね。

仕事の内容は、おおかた軽作業です。

フル-ツネットの折りから、袋詰めまで。
軍手の糸切りから成形袋詰め箱入れ。
教材のキット組み立て、封入まで。
お正月や、ひな祭りなどの季節イベントもの。などなど。

畑地もありましたから、農作業もあります。

大根、ニンジン、茄子、トマト、、、と、出来立て野菜は美味しいですよね。
しかし、夏場の草取りはかなりの重労働だとおもいました。

パン屋さんも経営していました。
大手メ-カ-さんからノウハウを吸収して、手作りのパンはなかなかのモノ。

手を広げて、ウナギの養殖から成魚まで。
そういえば、焼き肉店もやっていましたよ。

畑違いのクリ-ニング、洗車までと積極的な展開には驚きました。

パン屋さん、焼き肉店は接客の仕事がら、リップサ-ビスも少しはありますが
そのほかの作業は、無口を原則に静かな作業風景です。

しかし、そこは人間。雑談もすれば、さぼりもします。
トイレに入って息抜きしたりも。。

作業の空気に慣れてきたら、そんなことは日常茶飯事。

たまには、ちょっとしたいざこざもあります。
毎日、単調な仕事ばかりですもの、ストレスが溜まりますよね。

・さまざまな障害者たち

毎日の仕事風景をみていると、さまざまな障害者を見てしまいます。

発達障害で手足の発育がとまり両下肢が義足のひと。
交通事故で両足を失い、松葉杖を頼りに義足歩行を強いられるひと。
眼の不自由な人。ろうあ者。統合失調症。脳梗塞。・・・
それぞれの障害を自覚している方、いない方。

作業所という特殊な環境に溶け込んで、仕事をしています。

自分以外の人にめったに病気や障害の内容は、話しませんし聞きません。

黙々と作業する光景は、どこか無常です。

・管理する指導員

突然の発作が起きる時があります。癲癇などがそれにあたります。

障害者を管理する指導員は、看護師ではありませんから
救急車の手配をしたり、救急医療機関への連絡をしたりします。
そのようなことは、滅多にありませんが。

指導員の仕事は、障害者への作業進行の管理がメイン。
作業のやり方を教えたり、間違いを指摘したり
時には、作業態度の悪いところを注意します。

ところが指導員の悪いという点と、作業員の思っている良し悪しに
ずれが生じることがままあったりしますと、
普段は素直に黙って作業していた障害者もキレたりします。

取っ組み合いの騒動になった現場は、私は見たことはありませんが、
想像はかなりできそうです。
私も、些細なことでたびたび注意を受けたりすれば、
大きな声で反抗的な態度をとることも、少なからずありましたから。

毎日、顔を突き合わせているとそんなことがない事が不自然でしょう?

それに、相性もありますので、指導員の移動はたまに行われています。

職場環境は特殊であっても、人間が働く職場は一般の会社と似たり寄ったり。

なんだかんだと、問題を抱えながらも存続をしていく事が重要だと考えます。

・突然の解雇通知

ついこの前の6月29日。

事業所『X』の5ヵ所で働く約220名の障害者に解雇予告通知がされました。

「この度、貴殿を解雇いたしますのでその旨を予告します。」

解雇理由:経営状況の悪化により、会社の継続ができなくなった為

解雇日:平成29年7月31日

青天の霹靂とはこのことをいうのでしょう!

就労継続支援A型事業所『X』は、平成26年1月に開所。以来、現在にいたります。
といっても、あとわずかで幕を閉じます。

私が入所したのが、平成26年7月末ころですから
ちょうど丸3年間パ-ト仕事をしたわけです。

いろいろとありましたが、楽しい思い出のほうが圧倒的に多い。

高校卒業したばかりの坊っちゃん、 お嬢ちゃんから
70歳ちかいおじさん、おばさんまで
ちょっとした懐かしい思い出がありますね。

しかしながら、現実は厳しい状況に。

私も同様に、この年にしてまた職探しです。、

・ここまでに至ったカラクリ

ドライバーの方が言っていました。

『事業所は、身体障害者の皆さんのおかげで成り立っている。
それを忘れないように利用者さんに接してください』

「このように、事業所の運営者から言われているんです」 と。

また、私がハロ-ワ-クに相談に行ったときのことです。

「事業所『X』が、パ-ト大募集しているので あなたの年齢でも大丈夫。
いろいろと補助金が出るので、人を入れれば入れるほど儲かるって 話だそうです」

今になって思い起こせば、なるほどとうなずけるところが結構あります。

フル-ツネットの折りから、袋詰めまで。
軍手の糸切りから成形袋詰め箱入れ。
教材のキット組み立て、封入まで。などなど。

このような軽作業で儲かるはずがない。

結局は、補助金から人件費を引いた差額分をポッケに入れたり
パン屋さん、ウナギの養殖、焼き肉店などの運営資金に回したり。
悪いように考えればきりがありません。

マスコミも伝えています。

市障がい福祉課などによると、就労継続支援A型事業所は、
国の特定求職者雇用開発助成金を障害者1人あたり3年間で最大240万円。
市のA型サービス事業費を同1人あたり1日5840円(国、県の補助も含む)受け取れる。

これらの補助金は、事業所の経費にしか充てることはできず、
障害者の賃金は事業による収入から支払うのが原則だ。
しかし、収益性のない事業をしたり、事業そのものをしなかったりし、
補助金を賃金の支払いに回すケースも見られるという。

・まとめ

今回のような解雇劇は、私にははじめての経験です。

いろいろな障害を抱えながら、生活することは大変です。

さらに、仕事がないとなれば本当に落ち込みます。

市とハロ-ワ-クは、

解雇予定者と市内外のA型事業所など42施設との交流企業説明会を市内で開催します。

市障がい福祉課は「一日も早く次の職場が決まるよう、相談に乗るなどサポートしていきたい」

としているそうです。

ありがたいことですし、積極的に動いていこうと思います。

天災には逆らえませんが、人災は何とかなると私は、信じます。

諦めたら、そこで終わりです。

生きていれば何とかなる!!

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